マルウェア・詐欺

ランサムウェアとは?写真やファイルが開けなくなる仕組みを解説

感染を防ぐ対策と、被害を受けても復旧できる備えを組み合わせることが重要です。

目次
  1. 開けなくなる仕組み
  2. 侵入・感染経路
  3. バックアップの注意点
  4. 感染が疑われるとき
  5. 予防策

保存していた写真やWord文書が突然開けず、見慣れない拡張子へ変わり、「元に戻したければ支払え」と表示される。このような被害を引き起こす代表的なマルウェアがランサムウェアです。

警察庁は、ランサムウェアを端末などのデータを暗号化して使用できなくし、復号の対価を要求する不正プログラムと説明しています。暗号化せず、盗んだデータを材料に金銭を要求する「ノーウェアランサム」も確認されています。

なぜ写真やファイルが開けなくなる?

ランサムウェアがファイルの内容を攻撃者側の鍵などで暗号化すると、写真アプリや文書ソフトは本来のデータ構造として読めなくなります。「対応していない形式」「破損したファイル」などと表示されることがあります。

photo.jpg.lockedのように見慣れない拡張子が追加される場合もあります。しかし、ファイル名をphoto.jpgへ戻しても、中身の暗号化は解除されません。

正常な暗号化との違い

暗号化は本来、権限のない第三者からデータを守る重要な技術です。ランサムウェアはこの技術を悪用し、所有者自身でも読めない状態にします。

身代金を払えば戻る?

保証はありません。復号鍵が届かない、復号ツールが動かない、一部しか戻らない、追加料金を求められる可能性があります。警察庁も、犯罪グループの活動資金となる懸念と、復号が保証されないことを案内しています。自己判断で支払う前に、隔離、相談、バックアップの確認を優先します。

主な侵入・感染経路

現在は、メールを大量送信する攻撃だけではありません。警察庁は、未修正のVPN機器などインターネットへ露出した箇所から、脆弱性、漏えいした認証情報、簡単なパスワード、設定不備を悪用して組織へ侵入する手口が多いと説明しています。

パソコンだけが被害を受ける?

パソコンだけでなく、サーバー、NAS、仮想環境、ネットワークストレージなども対象になります。Androidでも不審なAPKや過剰な権限を持つアプリを避け、OSを更新し、Google Play Protectなどの標準保護を有効にします。iPhoneでも、フィッシングやクラウドアカウントの乗っ取りといった別経路の被害には注意が必要です。

二重恐喝とは?

暗号化する前にデータを盗み、「復号してほしければ支払え」「支払わなければ公開する」と二重に脅す手口です。バックアップは暗号化からの復旧には役立ちますが、すでに持ち出された情報漏洩を取り消すことはできません。バックアップと侵入防止・アクセス制御の両方が必要です。

バックアップも被害を受ける?

感染端末から書き込める外付けHDD、NAS、同期フォルダは、一緒に暗号化・削除される可能性があります。クラウド同期では、端末上で暗号化されたファイルへの変更がクラウドへ反映されることもあります。

CISAと警察庁は、バックアップをオフラインで保管し、復元手順を定期的に試すことを推奨しています。大切なデータは複数の媒体・場所へ分け、少なくとも一部を感染端末から常時書き換えられない状態にします。

同期とバックアップは同じではない

同期は複数端末の状態を揃える仕組みで、暗号化や削除も反映される場合があります。バックアップでは、感染前のコピーへ戻せることが重要です。クラウドのバージョン履歴、ゴミ箱、復元期間、変更不能な保管機能の有無を確認してください。

感染が疑われるときの初動

  1. LANケーブルを抜く、Wi-Fiを切るなどしてネットワークから隔離する
  2. 正常な外付けストレージを新しく接続しない
  3. 会社の端末なら、組織の手順に従い担当部署へ直ちに報告する
  4. ランサムノート、拡張子、発生時刻などを記録する
  5. 攻撃者のリンクや連絡先へ安易にアクセスしない
  6. バックアップの有無を安全な別環境から確認する
  7. 警察や信頼できる専門家へ相談する

警察庁は、調査に必要なログなどが失われる場合があるため、ネットワークから隔離した後に電源を落とさないよう案内しています。特に会社の端末は、自己判断で初期化せず担当者の指示を優先します。

セキュリティソフトで削除すれば写真も戻る?

ランサムウェア本体を取り除くことと、暗号化済みファイルを元へ戻すことは別です。バックアップや対応する復号ツールが必要になります。警察庁は、一部について「No More Ransom」で復号ツールが公開されていると案内していますが、すべての種類やバージョンに対応するわけではありません。非公式な「無料復号ツール」を装うマルウェアにも注意してください。

予防する10項目

  1. OSを最新にする
  2. ブラウザ、Office、PDF閲覧ソフトなども更新する
  3. 不審な添付ファイルやリンクを開かない
  4. 理由が分からないマクロを有効にしない
  5. 提供元不明のソフトやAPKを入れない
  6. パスワードを使い回さない
  7. 多要素認証やパスキーを利用する
  8. 管理者権限を必要以上に使わない
  9. 大切なデータを複数の場所へ保存する
  10. バックアップを分離し、実際に復元できるか確認する

大切なファイルを元端末とは別の場所へ

シークレットクラウドへ写真や動画などの別コピーを保存することは、端末1台だけに置くリスクを減らす備えの一つです。ただし、本サービスはランサムウェア対策製品ではなく、初期版にはファイルのバージョン履歴もありません。クラウドアカウントを強く守り、特に大切なデータはオフライン媒体など別方式のバックアップも組み合わせてください。

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まとめ

ランサムウェア対策は「感染しにくくする防御」と「被害を受けても戻せる復旧」の両方が必要です。更新、メール対策、強い認証に加え、元データと独立した複数のコピーを持ち、実際に復元できることまで確認しましょう。

参考情報

攻撃手法や復号ツールは変化します。被害が疑われる場合は、警察や専門家の最新案内を確認してください。