自分で購入した動画や音楽をクラウドに保存するときの注意点
「購入した」と「自由に複製・配布できる」は同じではありません。保存前の確認事項を整理します。
購入した動画や音楽を、端末故障に備えてクラウドへ保存したいことがあります。しかし、購入したことと自由に複製・配布できることは同じではありません。
物理メディア、ダウンロード販売、アプリ内の購入、月額制サービスでは利用できる範囲が異なります。購入元の利用条件、DRM、著作権、クラウド側の規約を確認しましょう。
注意:本記事は日本国内の制度に関する一般的な情報であり、個別の法的判断ではありません。判断が難しい場合は購入元、権利者または専門家へ確認してください。
「購入した」だけでは自由にコピーできない
作品を購入しても、通常は作品そのものの著作権を取得するわけではありません。物理媒体の所有、ファイルの利用、指定サービス内での視聴など、契約で認められた範囲で利用します。
「購入」と表示されていても、一般的なファイルを取得する場合と、サービス内で視聴する利用権を得る場合があります。レンタルやサブスクのオフライン保存は、指定アプリ内で一定期間利用する機能であり、別のクラウドへ移せるファイルとは限りません。
私的使用のための複製とは
日本の著作権法には、個人的または家庭内などの限られた範囲で使うため、使用する本人が複製できる場合があります。文化庁は、技術的保護手段が使われていないCDを私的使用目的で携帯音楽プレーヤーへ取り込む例を、著作権侵害にならないものとして説明しています。
ただし、自分用ならどんな方法でも許されるわけではありません。技術的保護手段の回避によって可能となった複製を、その事実を知りながら行う場合は、私的使用目的でも対象外となることがあります。
クラウドへの保存は、入手方法、契約、サービスの仕組み、利用範囲などで扱いが異なります。「自分専用なら必ず問題ない」と一律に判断しないでください。
DRMとオフライン保存
DRMは、指定アプリ、購入アカウント、対応端末などでのみ再生できるよう、デジタルコンテンツの利用を制御する仕組みです。
配信アプリの「ダウンロード」は、一般的なMP4やMP3ではなく、アプリ内でオフライン再生する暗号化データを保存する機能かもしれません。ダウンロードできたことは、別のクラウドへコピーする権利があることを意味しません。
DRMやコピーガードを解除してファイル化する方法は避けます。購入したDVD・Blu-rayでも、技術的保護手段の回避を伴う複製は単純な私的コピーとして扱えない場合があります。
保存前に確認する7項目
- 正規の販売元から入手したものか
- MP3、FLAC、MP4などの通常ファイルとして提供されたか
- コピーのためにDRMやコピーガードを解除していないか
- 購入元の規約で個人用バックアップが認められているか
- 保存先クラウドの利用規約に反していないか
- 自分だけが利用し、第三者へ公開・配布しないか
- 共有リンクや公開フォルダが無効になっているか
購入確認メール、領収書、注文履歴も残しておくと、後から入手元を確認しやすくなります。
共有とバックアップは分けて考える
自分用の保管と、他人が閲覧・ダウンロードできる共有は異なります。購入ファイルの共有リンクをSNSや掲示板へ掲載したり、友人へ配布したりする行為は、自分用バックアップとは分けます。
リンクを知る人だけの設定でも、URLが転送・漏洩すれば第三者がアクセスできます。家族や少人数への共有も、著作権法上の範囲と購入元の契約条件を別に確認する必要があります。
避けたい保存方法
- コピーガードを解除してDVDやBlu-rayをファイル化する
- サブスクのコンテンツを抽出し、契約終了後も使えるよう保存する
- レンタル期間を回避するためにコピーする
- 購入ファイルを不特定または多数へ配布する
- 違法に公開されたと知りながら入手したファイルを保存する
- 入手元や利用条件が分からないファイルを大量にアップロードする
保存できても再生できるとは限らない
クラウドがファイルを受け付けても、アプリ内で直接再生できるとは限りません。動画のコーデック、コンテナ形式、音声形式、DRMによっては、ダウンロード後に対応アプリが必要です。
DRM付きファイルは、ファイルだけをバックアップしても別端末で再生できない場合があります。購入アカウント、専用アプリ、端末認証が必要か、実際に復元できるかも確認します。
容量とバックアップ先を確認する
高画質動画は1本で数GB以上になることがあります。ファイルサイズ、残り容量、1ファイルの上限、料金、通信量を確認します。圧縮や再変換は画質・音質が下がり、DRMを解除してよい理由にもなりません。
クラウドも、サービス終了、アカウント停止、誤削除、支払い停止、乗っ取りなどで利用できなくなる可能性があります。保存が認められる重要なファイルは、クラウドだけへ依存せず別の場所にも保管します。
アカウントの安全も守る
正当に保存できるファイルでも、アカウントが乗っ取られれば閲覧・削除・流出する可能性があります。多要素認証やパスキーを使い、端末ロック、不審なログイン、復旧情報を確認します。
SECRET CLOUD
非公開でも保存する権利は必要
シークレットクラウドは一般公開や他ユーザーとの共有を提供しない個人用ストレージです。ただし、正規に入手し、法令と購入元の利用条件に従って保存できるファイルだけをアップロードしてください。
禁止コンテンツを確認するまとめ
購入形態によって、取得している権利は異なります。通常ファイルとして正規に提供されたか、DRMやコピー制御を回避していないか、購入元とクラウドの規約で認められているかを確認します。
アプリ内のオフライン保存は、自由に移動できるファイルの購入とは限りません。個人用バックアップと第三者への共有を分け、入手元と購入履歴を管理しましょう。
参考情報
法律や利用条件は更新される場合があります。利用時点の公式情報も確認してください。