個人事業主・フリーランスが最低限やっておきたいセキュリティ対策10選
顧客情報を守り、トラブル後も仕事を再開するための基本対策を優先順に解説します。
個人事業主やフリーランスの端末には、顧客の連絡先、契約書、請求書、制作データ、メール、会計情報などが集まります。攻撃は事業規模に関係なく起こり、1台のパソコンが使えなくなるだけでも仕事が止まります。
「攻撃を防ぐこと」と「被害後に仕事を再開できること」の両方を考え、まず次の10項目から始めましょう。
1. パスワードを使い回さない
一つのサービスから認証情報が漏れると、同じ組み合わせを別サービスでも試されます。仕事メール、クラウド、会計、銀行、Web管理などで異なる長いパスワードを使い、信頼できるパスワードマネージャーで管理します。
2. MFA・二段階認証・パスキーを使う
最優先は仕事用メールです。次に主要アカウント、クラウド、会計・金融、SNS・Web管理へ設定します。対応サービスではパスキーも検討し、バックアップコードを端末とは別の安全な場所へ保管します。
3. OS・アプリを最新に保つ
Windows、macOS、Android、iOS、ブラウザ、Office、PDF閲覧ソフトを更新します。自動更新を有効にし、サポート終了製品は仕事用端末から移行してください。
4. アプリ・ソフトは正規の場所から入れる
非公式な無料版、メールやSMSから配布されるAPK、偽広告のダウンロード先には注意します。Androidは正規ストア、パソコン用ソフトは開発元の公式サイトを利用し、ブラウザ拡張も必要最小限にします。
5. フィッシングを疑う
新規依頼や請求書を装うメールは、知らない相手と連絡する機会が多いフリーランスほど判断が難しくなります。
- 添付をすぐ開かない
- 拡張子、ZIP内の実行ファイル、マクロ要求を確認する
- 「至急」「停止」で急かされても公式サイトから確認する
- 不審な依頼は別経路で本人確認する
6. 仕事データをバックアップする
データを仕事用パソコン1台だけに置かず、「パソコン+外付けSSD+クラウド」のように複数の種類・場所へコピーします。
同期では削除や暗号化された変更まで反映される場合があります。ゴミ箱・バージョン履歴と、同期から独立したバックアップを確認し、実際に復元できるか試します。
7. 仕事用と個人用を分ける
メール、クラウド、フォルダ、ブラウザプロファイルなどを分けると、誤送信・誤共有・誤削除を減らせます。仕事で撮影した写真が個人クラウドへ自動同期されていないかも確認します。
8. 端末をロック・暗号化する
スマホへ十分な長さのPINと生体認証を設定し、パソコンにもログインパスワードを設定します。離席時はロックし、自動ロック、端末暗号化、端末検索・遠隔ロックも確認します。
9. 公共Wi-Fiと外出先に注意する
施設名に似せた偽Wi-Fiがあるため、正しいネットワーク名を確認します。重要な操作にはモバイル回線・テザリングも選択肢です。VPNはフィッシングやマルウェアまで防ぐものではありません。画面ののぞき見や離席中の端末にも注意します。
10. 事故時の手順を決める
- スマホ紛失:端末検索、遠隔ロック、通信会社へ連絡
- メール乗っ取り:安全な端末からパスワード変更、全セッション終了、転送設定確認
- ランサムウェア:ネットワークから切り離し、正常なバックアップ媒体を接続しない
- カード情報漏洩:カード会社の公式窓口へ連絡
- 顧客情報の誤送信:契約・法令を確認し、必要に応じて顧客や専門家へ相談
ウイルス対策ソフトだけでは不十分
フィッシング、誤送信、紛失、パスワード使い回しは、ウイルス検知だけでは防げません。IPAが2026年に公開した中小企業向けガイドライン第4.0版でも、基本対策へバックアップが加えられています。複数の対策を重ねることが重要です。
定期的に見直す
月に一度、更新とバックアップを確認し、四半期ごとにアカウント、アプリ、共有リンク、復旧連絡先を棚卸しします。顧客情報の種類、保存場所、アクセスできる人、保管期間も把握しておきましょう。
SECRET CLOUD
シークレットクラウドの使い分け
シークレットクラウドは個人向けサービスです。顧客・取引先の業務データは、契約や秘密保持義務、保存場所の指定を確認し、許可されたサービスだけへ保存してください。自分が所有する写真や動画のバックアップでも、クラウド以外に独立したコピーを持つことをおすすめします。
シークレットクラウドの特徴を見るまとめ
個人事業主・フリーランスは、自分で仕事とセキュリティの両方を管理する必要があります。パスワード、MFA、更新、正規入手、フィッシング対策、バックアップ、分離、端末ロック、外出先対策、事故対応から始めてください。
特定の製品を一つ入れて終わりにせず、被害を防ぐ対策と、被害後に仕事を再開する準備を組み合わせることが大切です。
参考情報
必要な対策は事業内容、契約、扱う情報、利用サービスにより異なります。顧客や取引先の要件と最新の公的ガイドも確認してください。